あなたはどう考える?実は奥が深い思考実験【5億年・トロッコ】
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こんばんは、あわどおりです。
みなさんはトロッコ問題というワードを聞いたことがありますか?
とりあえず聞いたことがない、分からないという方向けに説明していきます。これは恐らく一番有名であろう思考実験で、1967年に考案されてから今まで議論され続けてきた問題です。この問題には厳密な正解はありません、あるのは多数派と少数派だけです。
今回はそんな思考実験を2つ取り上げて皆さんに考える機会を作ってほしいと思います。是非お読みください。
思考実験の入口となるトロッコ問題
問題はこうです。
あなたは線路の切り替えスイッチの前にいます。そんなあなたは数分後驚きの光景を目撃しました。
あなたの右方向から石炭を大量に積んだトロッコが猛スピードで走ってきているではありませんか。そのトロッコの運転手は気絶していて、ブレーキが利きそうにありません。あなたが大声をあげても気絶している運転手はあなたには気が付かないでしょう。
これではトロッコをとめられません。しかし、線路の切り替えをすれば進行方向を変えられます。
線路の先には5人の作業員がいて、トロッコには全く気付いていません。気づいたところで、このスピードでは避けられないのは確実でしょう。あなたの声はこの作業員にも届かなそうです。線路を切り替えなければこの5人は死んでしまいます。
ここであなたは切り替えスイッチに気が付き急いで切り替えようとしますがあることに気が付きます。
切り替える線路の先に1人の作業員がいるではありませんか。彼も同様にこちらには気づいておらず、声を上げてもこちらに気づきそうではありません。あなたは今、スイッチを変えて1人を死なせるか、スイッチを切り替えずに5人を死なせるかという判断を迫られています。あなたはスイッチを切り替えますか?
因みに線路上の6人はあなたとは面識がないものとします。
一旦ここでページを止めてあなたの考えと答えをまとめてみて下さい。まとまったら下へスクロールしてみて下さい。
スイッチを切り替える判断をした人
あなたの考えは多数派です。恐らくあなたはより多くの人を助けるためにスイッチを切り替えるという選択をしたと思います。
6人があなたと面識がない設定なので、1と5を単純な数として認識していると思います。たとえそれが人間でも。
スイッチを切り替えない判断をした人
これは少数派です。私はこっちでした。
主に元からそういう運命であったというのが主な理由ですが、私の場合はスイッチを変えて1人を殺すか、スイッチを切り替えずに5人を死なせるかという観点からこちらを選びました。
どちらの選択肢の理由ももっともであり、正解がないというのがお分かりいただけるかと思います。AI(人工知能)はどちらを選ぶのでしょうか。
このような思考実験で一番大事なのは、問題の厳密な答えを出すことではなく答えを考える過程にあります。あなたの思考を一層深めることで、考える力を鍛えることが出来ます。この問題の答えを直感で出したという方はもう一つ問題を出しますので、次の問題をよく読んで考えた上で答えてみて下さい。
何もないところで5億年?100万円が貰えるボタン
このお話は「5億年ボタン」というお話で結構知っている方も多いかと思われます。
元ネタは菅原そうたさんの「みんなのトニオちゃん」という作品に出てくるお話の1つです。作者さんのサイトを下に貼っておきます。
お話はこうです。
あなたの目の前にはボタンがあります。このボタンを押すと一瞬で100万円ができます。しかしあなたがボタンを押してから100万円を貰うまでの間にあなたは何もなく寝ることもお腹がすくことも死ぬこともない世界に飛ばされ、そこで5億年生きていくことになります。
5億年が経過した瞬間にあなたの記憶は消去されて正気に戻るため、一瞬で100万円を手にすることができるというわけです。あなたならこのボタンを押しますか、押しませんか。
よーく考えてあなたの答えを決めたら下へ進んで下さい。
事前に行っておきますが、バイト代を渡して他の人に押させるというのは無しです。ここでの話はあくまであなたが押すか押さないかの話です。
押すを選んだあなた
私の友達の押す派の人は、記憶が消えるなら実際には一瞬なので押す。
とのことでした。現実の世界を優先して考えているようです。
押さないを選んだあなた
私はこちらでした。ボタンを押して別世界で5億年を過ごすのはAの人格。5億年経過して記憶が消去されればBの人格になり、100万円を受け取るのはBの人格。
これを考えたときに、最初にボタンを押すAの人格が得るものは100万円ではなく、5億年間の地獄です。
それを考えてしまうと到底押す気になれません。私とは別の世界線の自分に100万円をわたすために年給0.002円のバイトをするわけですから。
このように一口に思考実験と言っても様々な種類の実験があります。これだけではなくたくさんの実験がありますので興味のある方は是非調べてみて下さい。
私からは33の思考実験が記載されている「論理的思考力を鍛える33の思考実験」という本をおすすめしたいと思います。
この記事の反響があれば他の思考実験も紹介しようと思っているので、他の思考実験も見てみたいと感じた方は私あわどおりのTwitterのDMまで感想をお待ちしています。
暇だったら書こうと思います。
あわどおり